
加齢黄斑変性とは

視界の中心がゆがんで見えた場合「黄斑」の可能性があります
網膜の中心部である「黄斑」という部分は、ものを見る上でとても重要な部分です。網膜が正常でも、黄斑に問題が起こると見えにくさや視力低下などにつながります。
年齢を重ねるにつれて起こりやすくなる黄斑周辺の収縮もしくは出血などにより、ものがゆがんで見えたり、視界の中心部が見えなくなったりする状態を加齢黄斑変性といいます。
このような症状はありませんか?
- ものがゆがんで見える
- 視界の真ん中が黒くなって見えない
- 視界の真ん中やその付近がぼやける
- 視界の真ん中やその付近が欠けている
- 文字が読みにくい
- 色の判別がつきにくい
加齢黄斑変性の原因

黄斑や黄斑部分の細胞の働きが、加齢によって弱まってくることが原因とされています。もともとは欧米人に多く、日本人には少ない病気でしたが、近年では高齢化や生活の欧米化、さらにパソコンやスマートフォンの使用により目の負担が大きくなったことなどから、日本でも増加傾向にあります。また、高血圧などの全身疾患や喫煙、遺伝と関係している可能性があることもわかってきました。
加齢黄斑変性の種類と治療法
萎縮型
黄斑部分の細胞の働きが弱まり、黄斑の一部である網膜色素上皮がはがれたり、縮んだり、老廃物がたまったりすることで通常とは異なった見え方になってしまう状態です。症状の進行は比較的ゆっくりですが、経過に注意する必要があります。
治療法
現在は有効な治療法がなく、急激な視力低下なども起こらないことから、滲出型を併発しないように注意深く経過観察を行います。紫外線から目を保護するためにサングラスを使用するほか、禁煙や緑黄色野菜、ルテインを含むサプリメントの摂取など、生活習慣を見直すこともおすすめです。
滲出型
網膜や黄斑の異常によって細くてもろい血管(新生血管)ができることがあります。新生血管から液体がもれたり、出血したりすると、黄斑がダメージを受けて見えにくくなり、失明の可能性が高くなります。滲出型は急激な視力低下などが起こるため、緊急性の高い病気です。早期発見・早期治療が望まれます。
治療法
新生血管を縮小させる「抗VEGF阻害剤硝子体注射」を行います。新生血管の増殖や成長を抑制し、黄斑の出血やむくみを軽減する薬剤を用います。また、特殊な薬剤とレーザー光によって新生血管の壁を壊してふさぐ「光線力学的療法(PDT)」という治療法もあります。
加齢黄斑変性の予防方法

生活習慣の見直しと定期検診がカギ
喫煙は発症リスクを高めることが知られているため、禁煙をおすすめします。また、網膜の細胞を活性化させるビタミン・ミネラルを含む食品や、黄斑を保護する作用のある色素ルテインを含む野菜などを積極的に摂取するとよいと考えられています。具体的には、ミカン・ダイズ・ニンジン・カボチャ・ホウレンソウ・ブロッコリーなど、栄養バランスのよい食事をとるように心がけましょう。他にも、ルテインを含むサプリメントの摂取もおすすめです。
また、早期発見・早期治療のために、検診を定期的に受けるようにしてください。