
なみだ目(流涙症)とは

いつもより涙の量が多いときはご相談を
涙には、目を保護するとともに、栄養素や抗菌物質を運ぶ働きがあります。涙腺から分泌されて役割を果たした後は、涙点という小さな穴を通って涙道という通り道に流れていきます。
通常よりも涙の量が多かったり、涙道が詰まったりすると、目から涙があふれてしまいます。このような状態を「なみだ目(流涙症)」といいます。涙が多いと、視界がぼやけたり、周辺の皮膚が炎症を起こしたりする場合もあるので、適切な治療を受けましょう。
このような症状はありませんか?
- 感情に変化はないのに涙があふれる
- 涙が多くて視界がぼやける
- 涙で眼鏡がくもる
- 目の周りやまぶたがかぶれる
- 目やにが多い
- 涙で目頭の部分が腫れる
なみだ目(流涙症)の種類
分泌性流涙
目が刺激に対して過敏になり、過剰に涙が分泌されてしまう状態です。ドライアイやアレルギーなどほかの眼科の病気や、ゴミ・逆さまつ毛・傷など外的な刺激が影響していると考えられます。ドライアイなどの病気の治療を行うとともに、刺激となる原因を除去して点眼などを行います。
導涙性流涙
涙が目から排出される際に、通る涙道が狭くなったり詰まったりすることによって、行き場を失った涙があふれてしまう状態です。目やにが多くなる、充血するなどの症状が出る場合もあります。加齢によって涙を送るポンプ機能が低下することが一因とされ、手術が検討されます。
涙道内視鏡手術の2つの方法

涙管チューブ挿入術
直径0.9mmの細い内視鏡を涙道内に挿入し、狭い部分や詰まっている部分を広げることで、涙を通りやすくします。そこにシリコン製のチューブを通して通り道を確保し、2~3ヶ月後にチューブを抜きます。手術は部分麻酔を使い、日帰りで行います。

涙嚢鼻腔吻合術
涙管チューブ挿入術で改善されない場合、もしくは再び詰まってしまう場合は、涙道近くの薄い骨を削って涙の通り道を新しく作る涙嚢鼻腔吻合術を行います。涙道内視鏡を使って行う鼻内法のほか、目頭付近の皮膚を切開する鼻外法があり、いずれも通常は部分麻酔を使いますが全身麻酔を使用する場合もあります。

涙道内視鏡とは?
目と鼻をつなぎ、涙の通り道である涙道に異常がないかを調べる機器です。涙道が詰まったり狭まったりすると、涙が目からあふれてしまい、なみだ目や目やにの増加の要因となります。涙道内視鏡には小型のカメラがついているので、直接確認することができます。