眼圧を下げる点眼薬を使用します。目の中には「房水」という酸素や栄養を届ける液体があり、流れ込んできた後は排出・吸収されて一定の量を保っています。この流れが悪くなると目の中に房水がたまって眼圧が上がるので、排出を促したり、房水ができるのを抑えたりする薬剤で眼圧を低下させます。

このような症状はありませんか?
- 視力が落ちてきた
- 目が疲れやすい
- 左右の目で見え方が異なる
- 急に目がかすんできた
- 光を見ると、その周りに輪のようなものが見える
- 激しい目の痛みや頭痛、嘔吐、吐き気がある
緑内障とは

放置すると失明の危険性も。早期発見がカギ
「見る」という行為は、目から入った光が像をつくり、視神経を通って脳に伝わることです。視神経は100万本以上の神経線維が集まったもので、目の水分が多くなって圧迫されることなどにより、神経線維が少しずつ減ることで見えにくさを感じる病気が緑内障です。初期は自覚症状がなく、減ってしまった神経線維は元に戻らないので、早期発見するための定期検診が重要です。
緑内障の種類
正常眼圧緑内障
眼圧が普通の範囲内にも関わらず視神経が傷んでしまう病気です。この病気になると視野が少しずつ狭くなり、進行すると視力にも影響が出ることがあります。
通常、緑内障は眼圧が高くなることで視神経が傷つきますが、正常眼圧緑内障は眼圧が高くなくても視神経がダメージを受けてしまうことが特徴です。早期発見・治療のためには、定期検査が必要となります。
原発緑内障
生活習慣や遺伝などさまざまな要因で眼圧が上がって発症する緑内障を「原発緑内障」といいます。眼圧が上がるようなほかの目の病気や全身疾患が関わっていないケースで、一般的に「緑内障」とされるほとんどのケースがこの原発緑内障です。
続発緑内障
ぶどう膜炎などの目の病気や外傷、糖尿病や脳疾患など身体の病気、ステロイド点眼薬などの薬の副作用などによって眼圧が上がって発症する緑内障を「続発緑内障」といいます。緑内障の治療だけでは効果が得られにくく、原因となっている病気の治療も必要です。
発達緑内障
先天的な要因によって眼圧が上がることで発症する緑内障を「発達緑内障」といいます。小さな子どものうちから症状がみられます。子どもの眼球はやわらかく、眼圧が上がると眼球が大きくなることが特徴の一つです。発症する年齢は出生前から20代までと、人によって異なります。
緑内障の治療
薬物療法

レーザー治療

レーザーによって房水が流れるための通り道をつくる治療です。角膜と水晶体の間にある「虹彩」という薄い膜にレーザーを当てて穴をあけ、房水を排出しやすくします。治療自体にかかる時間は5分程度で、ほとんど痛みを感じません。
手術

点眼薬やレーザー治療でも眼圧が下がらない場合は、手術を検討します。房水を排出しやすくする「流出路再建術」、房水を結膜の下に流す「濾過手術」、チューブを通して眼球周囲の深部に流す「チューブシャント手術」など、症状に合わせた手術によって改善をめざします。